先生?!

ちーこん






「コネコちゃんは数学・・・ニガテかぃ?」

「な、なんですか?いきなり?」

ここは、星影法律事務所。所長の星影先生は奥の部屋でバッカスと語らっていた。

「ニガテかい?と聞いているんだが・・・。」

「・・・ニガテです。数学なんて嫌いです!!」

チヒロが思いっきり叫ぶようにカミノギに言うと、

カミノギは、にやりと口角をあげた。

「教えてやろうか?」

「え?」

「数学・・・教えてやろうか?コネコちゃん!」

「は、はい?!まだ仕事が・・・。」

「そんなモノ・・・ドブにでも捨てちまいなっ!」

「ぇ・・・、え〜〜!!(何この人は・・・」


――というワケで、メガネをかけたカミノギの前にある机の椅子に座った。

カミノギは、ホワイトボードに書くためのペンのフタを開けたりはめたりしている。

「・・・さて、コネコちゃんのニガテな所はどこだい?」

「え・・・っと、『関数』・・・です。」

「ほう、、関数か。関数は大事だぜ?なんてったって・・・。」

「説明はいいから早くしてください!!」

「クッ・・・せっかちなコネコちゃん、、キライじゃないぜ?じゃあ始めようか。」


・・・カミノギの教える数学は、学校で習うよりもはるかに分かりやすく、問題を解いている時はじっとチヒロの頭を見つめ、解き悩んでいると、横に来て、間近で教えてくれた。

「ここ・・・きゃぁ!」

「クッ・・・どうした?コネコちゃん。」

チヒロが、ふと横を向くと、いつもと違う、メガネをかけたカミノギと視線が合う。

カミノギの目はとてもきれいで吸い込まれそうになった。

しかし、突然その視界は奪われる。


ちゅっ


チヒロの鼻がカミノギのメガネにぶつかった。

「ちょ・・・!何するんですか?!」

真っ赤になったチヒロにカミノギはクッ・・・と笑う。

「キス・・・だぜ。」

「そんな事分かってます!!」

「・・・ならいいじゃねぇか。」

「良くない・・・」というチヒロの言葉は、

カミノギの唇に消え去った・・・――







END





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